安倍首相のワシントン訪問(二日目)

 

米国連邦議会上下両院合同会議における演説「希望の同盟へ」

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議会演説を行う安倍首相 (写真:安倍首相のツイッター、@AbeShinzo)

 

日本の指導者としては初となる、米国連邦議会上下両院合同会議における安倍晋三首相の歴史的な演説には、米日カウンシルからも多数のメンバーが出席しました。連邦議会議員の方々の寛大なご招待により、米日カウンシル評議員のグレン・S・フクシマ氏、長谷川 閑史氏、小島 順彦氏、ノーマン・ミネタ元運輸・商務長官、ウォルター・モンデール元副大統領、スージー・ルース氏、トム・シーファー元駐日大使、TOMODACHIイニシアチブ諮問委員会の沖原 隆宗氏とジョン・ルース元駐日大使、幹部アイリーン・ヒラノ・イノウエとスザンヌ・バサラ、その他のカウンシル・メンバーやスタッフが列席しました。安倍首相を議場にご案内する役を務めた議員の中には、米日カウンシル評議員のメイジー・ヒロノ上院議員、ドリス・マツイ下院議員、マーク・タカイ下院議員もいました。演説の前にはジョン・ベイナー下院議長の主催で小規模なプライベート・レセプションが催され、米日カウンシル幹部数名や、キャロライン・ケネディ駐日米国大使、ダニエル・ラッセル国務次官補やその他の政府関係者が出席しました。

 


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ベイナー議員主催のレセプションに集まった米日カウンシル幹部や支援者: (左から) シーファー元駐日大使、小島氏(三菱商事株式会社)、アイリーン・ヒラノ・イノウエ、柳氏(三菱東京UFJ銀行)、沖原氏(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、長谷川氏(武田薬品工業株式会社)

 

安倍首相が堂々と英語で演説したことは、議員やアメリカ国民と直接コミュニケーションを取ろうという真摯な努力が表れた、素晴らしい試みでした。安倍首相はユーモアで聴衆を引き込み、留学生の時分、その多様性に驚いたアメリカとの初めての出会いについてのエピソードを披露しました。正しい見方なら躊躇なく採用するアメリカの能力主義に「毒された」そうです。また、アメリカで過ごしたために帰国後に「生意気」と呼ばれたとも述べました。

 

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(左から) アイリーン・ヒラノ・イノウエ、タカイ下院議員、マーク・タカノ下院議員 (写真:タカイ議員)

安倍首相は、マイク・マンスフィールドやウォルター・モンデール元副大統領(アイリーンと共にギャラリーで傍聴)、トム・フォーリー(ヘザー・フォーリー氏が代わってギャラリー最前列で傍聴)、ハワード・ベイカーといった「民主主義の輝くチャンピオン」を大使として日本に送ったことに対し、議会に感謝の意を表しました。また、「私どもが残念に思いますのは、ダニエル・イノウエ上院議員がこの場においでにならないことです。日系アメリカ人の栄誉とその達成を、一身に象徴された方でした。」と述べ、私たちの多くの気持ちを鋭く代弁しました。

安倍首相は、自らの祖父が戦後の日本の首相として「日本が米国と組み、西側世界の一員となる道」を選んだことに言及し、日米同盟が「米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた」と指摘するなど、スピーチ全般に、他に類を見ない第二次世界大戦後の日米関係について巧みに話しました。「法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする」アメリカとの同盟について、日本にとっては「この道しか」ないと強調しました。また、アジア太平洋地域の平和と安全のため、日本は「アメリカの取り組みを徹頭徹尾支持する」とも明言しました。アメリカを支持し、「世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく」ことを誓いました。

これに関連し、首相は新たに設定された「日米防衛協力のための指針」の法改正を実現するという取り組みについて議会に簡単に報告し、環太平洋経済協定(TPP)を共に成し遂げようと呼びかけました。TPPは、「いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な」市場をもたらし、法の支配、民主主義、自由の価値を世界に広げ、「私達の子や、孫のために」単なる経済的利益を超え、安全保障にまで及ぶ戦略的価値を提供するものだと説明しました。

首相の演説中、聴衆は幾度も立ち上がって拍手を送りましたが、いちばん大きな拍手が起こったのはおそらく、「女性に力をつけ、もっと活躍」してもらうため、「古くからの慣習」を改めることについて触れたときでした。これは米日カウンシルにとっても腰を据えて取り組むべき重要な課題です。

安倍首相は「自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と述べ、戦争に対する反省の意を表しました。さらに同首相が「これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません」と述べたのは意義深いことでした。同首相は、日米の経験を中心に戦時中について思いを馳せ、ワシントンDCの第二次世界大戦記念碑を訪れ、亡くなったアメリカ人や真珠湾、バターン・コレヒドール、珊瑚海などの戦場の説明を目にし、「深い悔悟を胸に」抱いたと述べ、さらに「親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます」と述べました。硫黄島での日米合同の慰霊祭に見られる和解についても話し、関係者を紹介した上で、その友情関係を「歴史の奇跡」と表現しました。首相は「紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。わたしたちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。」とも指摘しました。



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第二次世界大戦記念碑を訪問した安倍首相 (写真:安倍首相のツイッター)

演説の最後に、安倍首相は、東日本大震災後に被災地の子供たちに支援の手を差し伸べてくれた米軍と「米国人の皆さん」の支援に謝意を表しました。一番暗くて辛い夜に、アメリカにこそ真の友人がいることを日本は気づかされ、そして、日本はかけがえのない「未来への希望」が与えられたと述べました。安倍首相は日米が「希望の同盟」で力を合わせ、世界をより住みやすい場所にしようと呼びかけて、演説を締めくくりました。

私たちは米日カウンシルとそのメンバーが、米日カウンシル地震救済基金やTOMODACHIイニシアチブ、その他の個々の活動を通じ、こうした友情と希望を与える役割を果たしたことを大変誇りに思っております。これらの人たち全員が「希望の同盟」を構築するのを助けたのです。



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(写真:在米国日本国大使館のツイッター、@JapanEmbDC)

この演説の後、ベイナー議長主催のVIPレセプションが催され、首相一行を歓迎し、演説の成功を祝いました。

 

ワシントンDCでのその他の活動

その後、安倍首相は、全米商工会議所とその関連団体である米日経済協議会(USJBC)による招待制の懇談会に出席し、ビジネス界に直接メッセージを送りました。19人の米国のCEOと上級幹部など100人の企業幹部が参加し、貿易とTPPの重要性に関して話し合いました。詳細は商工会議所のプレスリリースをご参照ください。

次に、首相は笹川平和財団米国主催の第2回安全保障フォーラムに出席し、政府関係者、学者、その他の日米関係者約400名の出席者を前に、その日の議論の締めくくりにとしてスピーチを行いました。(スピーカーの一人は、過去2年の米日カウンシル・アニュアル・カンファレンスで講演された米海軍太平洋艦隊司令官ハリー・ハリス海軍大将でした。)スピーチの中で、首相は、両国とアジア太平洋地域の互いの平和と繁栄のためには日米関係が重要であることを強調し、自らの訪米中に達成した防衛と貿易の問題に関する進展を称賛しました。デニス・ブレア元海軍大将との会話の中で、首相は安全保障面での相互依存や経済政策・戦略に関する自身の見解や、二度の任期の間の時間をどのように使って両国のための包括的かつ効果的なアジェンダを作成したかを説明しました。


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安倍首相とブレア元海軍大将

一方、安倍昭恵夫人は、草の根団体への訪問を行いました。その前の日には、自身が10年間支援してきた日本語集中プログラムの実施校であるバージニア州北部のグレート・フォールズ小学校をミシェル・オバマ夫人とともに訪れました。水曜日には語学指導等を行う外国青年招致事業(JET)経験者(米日カウンシルのプログラム・マネージャー、マイヤ・フィッシャーを含む)との懇談会を開催し、JET参加者および経験者がどのように日米関係強化に貢献できるかについて、また、日本政府のカケハシ・プロジェクトなど、その他の草の根プロジェクトの役割について話し合いました。マイヤは安倍夫人に対し、多様性と日米関係に新しい声を取り入れることの重要性と意味を伝えました。また、カケハシの一環であるTOMODACHIイノウエ・スカラーズ・プログラムのような短期文化交流プログラムが、どのように若者に刺激を与え、JETのように日本について学習できる機会を利用する等の進路変更をもたらすかについても話しました。

 


フリーア美術館でのガラ・ディナー

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ナンシー・ペローシ米下院民主党院内総務とキャロライン・ケネディ大使と談笑する安倍首相 (写真:安倍首相のツイッター)

安倍首相夫妻はその夜、フリーア美術館の美しい中庭でガラ・ディナーを主催しました。プログラムの冒頭には佐々江大使が70年にわたる日米間の友情に感謝の意を表しました。安倍首相はゲストに対し、日米関係のキーワードは「信頼」であると述べました。

食事のあと、壇上に戻った安倍首相夫妻はCBSニュースのボブ・シーファーと対話しました。ゲスト全員がこれを楽しんでいるようでした。リラックスした様子の首相と夫人はユーモアのセンスを示し、自らの結婚について語りました。首相は、連邦議会への演説を繰り返し練習し、もう一度「学生のような」気分になったと面白おかしく話しました。また、安倍夫人が野党議員よりも手ごわい批判者になり得ると述べ、同夫人は重要な問題に関して「届かない声」を夫に伝えるという自分の役割を説明しました。さらに、夫妻はエネルギーと安全保障問題については二人の意見が大きく異なっていると話しました。首相は、安全保障情勢がこれまでとは大きく変わってきた今、アメリカが日本に期待できないなら日本はアメリカの友人でいられないのだからこそ、防衛と安全保障における自分の選択は必要なのだと述べました。また、安倍夫人は自身が重視する女性と少女の社会的地位向上について語り、草の根交流の重要性に関する考えを述べました。全体として、真のパートナーシップの重要性が安倍首相夫妻から伝わってきました。

聴衆に対して一つだけメッセージがあるとすると何か、と尋ねられた安倍首相は、同盟は平和と繁栄の基盤だが、活力ある、力強い同盟の鍵は相互努力であることを、第三者、そして我々自身にも思い起こさせる必要があると述べました。首相の答えで、米日カウンシルの取り組みが必要な理由が明らかにされたとも言えるでしょう。首相は、この取り組みで重要なのは、人的交流、特に学生の交流であると述べました。首相は新しいカケハシ・プログラムについて話し、アメリカの大学、交換プログラム、その他の人的交流事業に投資するという日本側のコミットメントが同プログラムをさらに強固なものにするとしました。

今週は米日カウンシルのメンバーと支援者の多くにお目にかかることができました。上記の方々のほかにも、多くの米日カウンシルのメンバーやフレンドの方々、評議員のジョージ・タケイ、ケント・カルダー、五嶋 龍、その他多数の法人会員がこれらのイベントに参加しました。


西海岸へ

ボストンとワシントンDCへの訪問を成功裏に終えたあと、安倍首相夫妻はカリフォルニアの北部と南部へと向かいました。カリフォルニアの米日カウンシル幹部は、2日間にわたる安倍首相夫妻の訪問中、多数の重要なイベントに積極的に関与しています。首相がカリフォルニアの2地域両方を、特にシリコンバレーを訪問地に選ばれたのは素晴らしいことでした。米日カウンシルは人のつながりを地域や国、国際的なレベルで構築することに積極的に取り組んでおり、カリフォルニア州全域に素晴らしいネットワークがあることを誇りに思います。


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